暮らしに、あなたらしさを。
Inspired Living Spaceを始めたのは2017年の秋のことです。それまで勤めていた京都の設計事務所では、主に高級旅館や商業施設を手がけていました。仕事は充実していたけれど、ある日、担当した旅館のオーナーから『うちの自宅もこんな風にしてほしい』と言われたとき、何かが変わりました。人が毎日帰ってくる場所、眠る場所、ご飯を食べる場所。そこをきちんとデザインすることの方が、自分には向いているかもしれないと思ったんです。
東京・世田谷区に事務所を構えてから、最初の2年間はほぼ口コミだけで仕事が来ていました。最初のお客様は、産後に家の中が落ち着かないと悩んでいた友人でした。リビングの家具を動かして、カーテンを変えて、照明を一つ足しただけで、彼女が『なんか、深呼吸できる気がする』と言ってくれた。その言葉が今でも仕事の基準になっています。2019年には神奈川・横浜にサテライトオフィスを開き、現在は東京・神奈川を中心に年間20〜25件のプロジェクトを担当しています。
素材へのこだわりは、長野の山小屋で過ごす時間から来ています。杉の床板が年を経て飴色になっていく様子、珪藻土の壁が夏の湿気を静かに吸ってくれる感覚。そういう素材の「働き」を知っているから、お客様にも自信を持って勧められます。化学物質過敏症のお子さんがいるご家庭からのご依頼も増えていて、素材の安全性については特に丁寧に調べるようにしています。きれいなだけじゃな…
中村 葵、東京藝術大学でインテリアデザインを学んだ後、京都の老舗設計事務所「杉本デザイン工房」で7年間、住宅リノベーションと商業空間の設計に携わった。2017年に独立し、Inspired Living Spaceを設立。「空間は人の気分を変える」という信念のもと、機能性と心地よさを両立したデザインを追求している。休日は長野の山小屋で過ごすことが多く、自然素材への愛着がそのままインテリアの哲学に反映されている。「きれいな部屋より、帰りたくなる部屋を作りたい」が口癖。
