照明の相談で一番多いのは「なんか部屋が安っぽく見える」という悩みです。原因のほとんどは、シーリングライト一灯で部屋全体を照らしていることにあります。照明は「明るさ」ではなく「光の分布」で考えるべきです。

住宅照明の選び方:明るければいいわけではない

シーリングライト一灯主義の問題点

天井中央のシーリングライト一灯で部屋全体を照らすと、影がなくなり、空間が平坦に見えます。ホテルのロビーや高級レストランに「天井の真ん中に大きな蛍光灯」がないのは、そのためです。住宅でも、複数の照明を組み合わせて「光と影のバランス」を作ることで、部屋に奥行きと落ち着きが生まれます。

間接照明の使い方:壁を照らす

間接照明の基本は「壁を照らすこと」です。壁に光を当てると、光が拡散して部屋全体が柔らかく明るくなります。天井に向けたアッパーライトや、棚の下に仕込んだフットライトも同じ原理です。横浜市の新築住宅プロジェクトでは、ダイニングの壁に間接照明を仕込み、ルイスポールセンの「PH5」と組み合わせることで、食卓の雰囲気が格段に上がりました。

色温度の選び方:部屋の用途で変える

色温度は部屋の用途に合わせて選ぶのが基本です。リビング・寝室は2700〜3000Kの電球色、書斎・キッチンは4000〜5000Kの昼白色が向いています。同じ部屋でも時間帯によって切り替えられる調光・調色対応のLEDを使うと、朝・昼・夜で部屋の表情を変えることができます。世田谷区のリノベーション事例では、全室を調光対応にしたことで「部屋の使い方が変わった」とお客様に言っていただきました。

照明器具の選び方:デザインより配光を先に考える

照明器具を選ぶとき、デザインから入る方が多いですが、まず「どこをどう照らしたいか」という配光計画を先に決めることをお勧めします。器具のデザインは後から選べますが、配線の位置は後から変えにくいです。新築やリノベーションの場合は、内装工事の前に照明計画を確定させることが重要です。

照明は、インテリアの中で一番「後回しにされやすい」要素です。でも、照明を変えるだけで部屋の印象が一番大きく変わることも多いです。まずは今の部屋の照明を見直すところから始めてみてください。